日常と言うベールの向こう側

日記

「太陽はいつも無視されてかわいそう」

公園の帰りの煌々と夕陽が差し込む車の中で突然、息子がぽつりとこんな事を言いました

そうか…確かに太陽は無条件に光を与えてくれるけど、あえて感謝した事は無かったな…

と考えさせられました

それでも、別に誰ひとりとして感謝していないなんて訳ではないだろうからと

私はこんな風に応えたんです

「きっと、みんな感謝しているけど

遠すぎて言えないだけだよ

大声出しても届かないでしょ?

きっと、地球よりもっと向こうの惑星も気付いてないから言わないだけで感謝していると思うんだよね」

(太陽に向かってほえている刑事たちの物語的なあれもある訳だしね…)

なんて返事を返したら

「そっか、そうだね

確かに届かない」

無視というフレーズの鋭さと

なんだか悲しげな質問に

納得する息子を見て少し胸を撫で下ろしホッとしたのですが

当たり前の事に感謝する事

これは子供の方が大人よりも、ずっとずっと上手なのかもしれない…なんて思ったんです

一つ、一つを新鮮で真新しい目で見れば当たり前の中の価値に気付けるはずなのに

身に付けた知識なんかが、ついつい決まりきった回答を自身に先に提示してしまうのです

これはこうだから

あれはああだから

でも、もしかしたら…

あれはああじゃなくて、こうかもしれないよ…!?ニヤリ

と言う

宝箱から出てくるのが、宝石なのか?

はたまた、モンスターかさえ分からずとも開けて見ると言う感覚をどこかに置いて来てしまうんですよね

これは手のひらに、手にしている物が多ければ多いほど

人生の荷物が多ければ多いほど、宝箱を開けようなんてバカな気にはならない物です

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公園で見つけたツチハンミョウ

我が家では、とりあえず虫には過剰反応すると言う習性があるのですが

先日、公園の湖畔沿いで見慣れない様な

見た事がありげな、青黒く光る虫が歩いていたので

すぐさま、自転車で駆けていく息子を大声で呼び戻して

“これはなんじゃ?“と聞いたんです

息子は分からないと首を振ったので、すぐさま調べると

かの有名な(我が家では)毒液を出すと言う虫、ツチハンミョウだと言う事が分かりました

同じ毒液を出すマメハンミョウは、我が家の近所でもよく見かけるのですが

青く光るツチハンミョウに出くわすとは思いもよりませんでした

これが、その時の写真

この虫、大変な猛毒を持った虫で

刺激すると毒液を出す曲者

一匹食べると致死量に値する毒を持ち、昔は暗殺に使われていたのだとか…

ハンミョウ好きの我が家では、結構な有名虫だったのですが

まさか、こんな春先に人々の賑わう公園で出会えると言う事に驚きを隠せませんでした

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あたりまえ

大人になって子育てをして、こうして虫取りをするまでは

こんなにも身近に、いつも命の危険が側にあるのだと言う事を知りもしませんでした

大丈夫なのか?それ!?私、生存できる?と言いたくなるほど、母の料理の風景が雑すぎたと言う事

父のキノコ取りに同行し深い山に入っては

「これは、熊の糞」と何度も言われ育って来た事

そして、そんな共感力のない向こうみずな両親の元で育ったと言う事

今、思えばよくここまで生きていたな…と思う様な事ばかり

それでも、命は当たり前に保証されている様な気になって来ました

しかし、この虫を今、口の中に入れれば…

プルプル…

こんな事を想像すると、なんだか呆気ない物だと思ってしまう

当たり前

それはいつか必ず太陽系から消えてなくなる定めの太陽

当たり前

そして必ずいつか、自分も消えていなくなると言う事

当たり前

隕石が衝突していない今の地球

当たり前

スマホと、このスマホを手にしている左手

当たり前

明日は来ると言う事

本当に?

そんな世界で、もしも当たり前を1つ見つけられるとしたら

私やあなたは、自分の1番大切な誰かの側に最後の時が来るまで側に居たいと誓い願う事と

最後まで、どうやっても喉は乾いて、腹は空くという事かもしれないね

本当に?そうかな?

そうかもね…

太陽にはあえて感謝の言葉は言わないけど

おかげで私や息子はこうして生きているよ

と心の中でアデューをし

帰路についた休日のお話しでした

2023.4.2

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